【中学古文】単語はどこまで覚える?過去問60年解いて整理

むすめ
むすめ

古文って、単語覚えなきゃいけないの?

おにい
おにい

絶対やったほうがいいよ!マジですぐ点になるから

くにママ
くにママ

高校入試に出てくる古文の単語は、覚えておくだけで得点源になりやすいです。しっかり押さえておきましょう。

この記事の信憑性

・くにママは、国語の教員免許持ち&現役時センター試験古文満点
・公立から灘高まで60年分以上実際に解いて整理

実際に解いた学校の内訳は以下の通りです。(細かく言うと66年分)

学校の種類解いた件数
公立20年分
中堅国私立19年分
難関国私立27年分
※中堅校は駿台偏差値50台、難関校は60以上とします

これらを前提に、高校入試で必要な古文単語について話を進めていきます。

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古文の単語は大きく3種類

くにママ
くにママ

古文の単語は大きく3種類に分けられます。

種類(名称)性質
現代語とほぼ意味が同じ
古今異議語現代語と形が似ているが意味が異なる
古文特有語古文にしか存在しない

文語(古語)が時代を経て口語(現代語)に形を変えているだけなので、割と現在も使用されている単語も多いです。

一から覚えなければならない英単語に比べれば負担は少なく済みます。

ポイントは現代語と意味が異なる古今異議語と、古文にしかない古文特有語。

この二つが単語の意味を問う問題や現代語訳でよく出題されます。

問題内容の傾向

過去問66年分の古文を解いてみると大まかに

<問題内容>

・歴史的仮名遣い
・会話文の抜き出し
・文学史
・主語の把握
・単語の意味(係結び、呼応の副詞、助動詞の区別なども含む)
・現代語訳
・内容把握
・テーマ把握

と言った内容が出題されています。

この内、単語の知識が強く関わってくるのが

・単語の知識を直接的に問われるもの(単語の意味、現代語訳)

間接的に単語の知識が必要なもの(内容把握など)

この2つ。

古文単語はどこまでやればいい?

むすめ
むすめ

高校入試だと古文単語はどこまでやればいいですか?

くにママ
くにママ

学校によって求められる単語は異なります。

過去問66年分の古文単語を見てみる(公立〜難関校)

ここで過去問66年分で直接的に意味が問われた単語を公立、中堅校、難関校で見ていきましょう。

公立(20年分)

・公立20年分を解いたところ、2〜3割程度の学校が出題
・問題の中にヒントがある場合が多い
・中学教科書レベルの単語が出題

くにママ
くにママ

公立は中学教科書レベルの単語を押さえておきましょう。

公立の問題は

・本文の横に現代語訳が掲載されている
・注が多い
・古文を元にした先生と生徒の会話文がある

のどれかが当てはまる傾向にあります。

そのため、大体の話の内容が理解できるようになっています。

どちらかというと、単語の意味を直接問うよりも、内容把握やテーマ把握の問題が多いです。問われても中学教科書レベル)。

また、「係結び」についての知識を問う問題もあります。

実際に解いた中で直接意味が問われた単語は以下のとおりです。

単語意味(解答) 備考
にや思ひけん思ったのであろうかにや:断定「なり」の連用形「に」+係助詞「や」〜連体形

や〜連体形。:疑問・反語の係結び
ここでは疑問

けん:過去推量「けむ」の連体形、撥音便

※選択問題
心のままに自分が思った通りに※選択問題
立つ開始立つ:(新しい月、年、季節などが)始まる

ここでは「春立つと〜」の意味が出題
(暦では)立春となっているが

※選択問題
心のうつり行くに心が変化していくことに移る:移ること全般↓
移動する、変化する、過ぎる、心が変わる、散る、色褪せる、乗り移る、転生など

※選択問題

中堅国私立(19年分)

・中堅校19年分を解いたところ、9割程度の学校が出題
・大学入試用の単語集で頻出度の高い単語はチェック
・選択問題が多い

中堅校ではガッツリ単語の意味が問われてきます。

市販されている単語集で言うなら、例えば、

東進ブックスの「古文単語 FORMULA 600」の場合、★3〜2まではチェックしておきたいところ。

くにママ
くにママ

時間がなければ、せめて★3は死守。220語あります。

古文を得点源にしたい場合は★3〜2まで見ておく方がbetterです。

★3〜2で470語あります。

ちなみにコレ、大学入試用の単語集です。

他の単語集でもこの★3〜2に相当するものがいいかと。

私立大に出てくるようなマニアックな単語までは手を付けなくても大丈夫です。

くにママ
くにママ

参考までに、私が解いた19年分の古文に出てきた単語を「古文単語 FORMULA 600」に照らしながらまとめていますので、見てみて下さいね。

これに載っていない単語は古語辞典で調べています。

助動詞、助詞、敬語一覧も見ておきましょう。

ただし、これらは一覧だけでは分かりづらいので、文法の参考書(大学受験用)のチェックも必要です。

「古文単語 FORMULA 600」の特徴

・古今異議語、古文特有語に重点を置いている
・★は単語の頻出度(★3が220語、★2が250語、★1が130語)
・助詞、助動詞、敬語は一覧で記載

単語意味(解答)備考古文単語 FORMULA 600
の掲載状況
ゐて座ってゐる(居る)の連用形:じっと静止している状態

すわる、しゃがむ、止まる、凪いでいる など
★★★
年ごろ長年の間年頃:何年も、年来、年格好、年配

月頃:数ヶ月来、数ヶ月間

日頃:何日か、数日、近頃、ふだん
★★★
なむず〜してしまうだろうなむず:〜してしまうだろう

「むず」≒「む」、「む」より強い緊迫感

完了「ぬ」の未然形「な」+推量「むず」の終止形
助動詞一覧
これを行はこれを行おう「行ふ」の未然形+意思「む」の終止形、撥音便

選択問題(「ん」と同じ意味を選ぶ)
・「む」→推量or意思
・打消「ず」の連体形「ぬ」
・完了「ぬ」の終止形「ぬ」
助動詞一覧
命絶え命が絶えた「絶ゆ」の連用形+完了「ぬ」の終止形

選択問題(「ぬ」と同じ意味を選ぶ)
・打消「ず」の連体形「ぬ」
・完了「ぬ」の終止形「ぬ」
・「死ぬ」「寝ぬ」の語尾
助動詞一覧
〜に召さぬ。〜に召された「召す」の未然形+受身「る」の連用形+完了「ぬ」の終止形

選択問題(「れ」と同じ意味を選ぶ)
・助動詞「る」の区別(受身、可能、自発、尊敬)
助動詞一覧
いととても★★★
せん方なしどうしようもない為む方なし:どうしようもない

為む方:しようとする方法
や吹く笛を吹くのかや〜連体形。:疑問・反語の係結び
ここでは疑問
助詞一覧
さればこそやっぱり然ればこそ:それだから、思った通りだ、やっぱりだ
然れば:だから
★★★(然れば)
えもいはずすばらしくえも〜打消:どうにも〜ない

えも言わず:言うに言われない(程度が甚だしく)言葉で言い表せない
★★★
やがてそのままやがて:すぐに、そのまま★★★
止みにけり。終わってしまった。にけり:〜てしまった。〜てしまったのだなぁ。

完了「ぬ」の連用形「に」+過去「けり」の終止形
助動詞一覧
いみじきものたいそうすぐれた人物いみじ:はなはだしい、恐ろしい、すばらしい

程度の甚だしい様子。良い時にも悪い時にも使う
★★★
いとしもなしたいしたこともないいとしも(しもは副助詞)+打消:たいして〜ない
あなた向こう側あなた(彼方)
(距離的に遠い)あちら、向こう側
(時間的に遠い)以前、将来
笑は笑うこともできないでえ〜打消:〜できない★★★
先途行先、将来先途(せんど):行先、将来、瀬戸際
なさけある人情緒を解する人なさけ(情け):風流心、男女の情愛★★
しなひ花房しなひ(撓ひ):しなやかにたわんでいる花房
はらから兄弟姉妹★★★
すまひけれど辞退したけれどすまふ:
(辞ふ)辞退する
(争ふ)抵抗する→「相撲」の語源
★★
沙汰評判沙汰(さた):命令、処置、相談、評議、知らせ、評判★★
哀れなりけなげだあわれなり:しみじみと〜だ、気の毒だ、趣深い、いとしい、せつない★★★
やすかるたやすい易し容易だ、簡単だ
安し:心穏やかだ、平穏だ、価が安い
★★
あらまし予定あらまし予期、計画、概略、おおよそ

こうあったらなぁと期待すること
★★
いよいよますます
なさと思へしようと思うけれど「なす」の未然形+意思「む」の撥音便+引用の格助詞「と」(〜と)+「思ふ」の已然形+接続助詞「ど」(〜けれども)助動詞一覧
助詞一覧
わけ
よし事情よし(由):理由、由緒、〜こと★★
読み候ひなんお読みいたしましょうなむ:きっと〜だろう、きっと〜(よ)う

完了「ぬ」の未然形「な」+推量「む」終止形

確実に実現・完了すると思われる事を推量の形で表す

「ん」は「む」の撥音便
助動詞一覧
よから良いだろうよから+ん:「善し」の未然形+推量「む」の終止形

「ん」は「む」の撥音便
助動詞一覧
きこえ評判★★
ゆゆしく立派にゆゆし(形):神聖で恐れ多い、不吉だ、程度がはなはだしい★★★
かねてあらかじめかねて(予て):以前から、あらかじめ
ののしり合へり大声で騒ぎ合っているののしる(罵しる):大声で騒ぐ、評判になる

※選択問題
※平安時代に「罵倒する」の意味はない
★★★
おほかたまったくおほかた〜打消:まったく〜ない★★★
あさましきあきれたあさまし:驚きあきれたことだ、もってのほかだ、(あきれて)情けない、興ざめだ、みすぼらしい、あさはかだ

※物事の良し悪しにかかわらず
★★★
跡なきこと根も葉もないこと跡なし:跡が残らない、証拠がない、前例がない
あらざめり〜ないようだあらざめり:ラ変動詞「ある」の未然形+打消「ず」の連体形「ざる」の撥音便化「ざん」(「ん」は読まない)+推量「めり」
ざめり〜ないようだ

※見え+あり→めり(視覚からの推量)
※音+あり→なり(聴覚からの推量)
助動詞一覧
このしるしこの前兆しるし(徴・験):効果、霊験、兆し、前兆★★★
あまたたくさんあまた(数多):数多く、たいそう、非常に★★★
年久しくなりて長年たって久し:長い時間がたった様子、ある状態が長く続く様子
さだめてきっとだろう定めて〜推量:きっと〜だろう

推量の助動詞「む」:〜だろう
★★
やう理由やう(様):様子、わけ、理由、事情、方法
愛情志:心が向かうところ、意向、誠意、好意、感謝の意を表す贈り物、追善供養
ことさら格別に殊更:わざわざ、改めて、格別に

※文脈で判断
具して連れて具す:人や物を装備するイメージ↓

備わる、備える、連れ立つ、従う、伴う、連れて行く
★★
何事どのような事情
息災な身体が丈夫だ息災:仏の力で災難を防ぎ止めること、病気をしないで元気なこと
一向全くいっかう→いっこう(一向):ひたすら、いちずに

いっかう〜打消:少しも〜ない
かけて騙して掛けて:(はかりに)かけて

「秤に掛ける」→「計略にはめる」に近い?

※選択問題
※本義に「騙す」はない。文脈で判断。

難関国私立(27年分)

・難関校27年分を解いたところ、9割程度の学校が出題
・大学入試用の単語集で頻出度の高い単語はチェック
・選択問題、記述問題ともに出題

難関校でもしっかり単語の意味が問われます。

中堅校との違いは、その出題形式。

くにママ
くにママ

選択問題もありますが、記述による現代語訳や内容把握の問題も出てきます。

単語の意味が分かった上で、時間内に答案へアウトプットする訓練が必要です。

大学入試を意識した作りになっています。

おにい
おにい

開成高校も共通テストと東大を意識した問題になってるよ。

読む量が多くて…。

くにママ
くにママ

そうですね。

おまけに、記述問題も入ってくるので、とにかく時間がかかります。

単語の意味でもたつくのはNG。★3〜2までは覚えた方が吉です。

もちろん普通に大学入試用の単語集が必須となります。

ここでも、「古文単語 FORMULA 600」の場合、中堅校と同様、★3〜2までの単語は要チェック。

助動詞、助詞、敬語一覧も見ておきましょう(これらは文法の参考書も精読)。

くにママ
くにママ

難関校の単語も「古文単語 FORMULA 600」に照らしながらまとめていますので、見てみて下さいね。

単語意味(解答)備考古文単語 FORMULA 600
の掲載状況
おどろおどろしく重い症状にはおどろおどろし(驚驚し):大げさだ、気味が悪い、事態が容易でないようす、おおごとだ

※驚いてびっくりするくらい程度が甚だしいようす
★★★
せきかね給へるおさえかねていらっしゃるせきかぬ(塞きかぬ):止めかねる、こらえかねる
始め給へ始めなさったが、已然形+ど(接続):〜けれども(逆接の確定条件)助詞一覧
はかばかしきはっきりとしたはかばかし:しっかりしている、確かだ、はっきりしている、はきはきとしている

物事が思う様にはかどるようす
★★★
霊験しるし(徴・験):効果、霊験、兆し、前兆★★★
ゆめゆめ決してゆめゆめ+禁止:決して〜するな

※記述による現代語訳の問題
★★★
な〜そ〜してくれるなな〜そ:〜してくれるな、〜してはいけない
禁止の副詞「な」+禁止の終助詞「そ」

※記述による現代語訳の問題
★★★
うしろめたく気がかりにうしろめたし:不安だ、気がかりだ、後ろ暗い、やましい

※記述による現代語訳の問題
★★★
聞こゆ〜申し上げる聞こゆ:申し上げる、〜申し上げる

※記述による現代語訳の問題
敬語一覧
給ふ〜なさる給ふ:お与えになる、お〜になる

※記述による現代語訳の問題
敬語一覧
ふしぎに理解を超えるほどに不思議:理屈で説明できないこと、考えられない様なひどいこと
めでたし素晴らしいめでたし:りっぱだ、優れている、素晴らしい、美しく愛らしい、縁起が良い、喜ばしい★★
恥ぢ御こと恥じない御歌打消「ず」の連体形助動詞一覧
御こと御歌こと(言):言葉、口に出して言うこと、うわさ、評判

言ふ(和歌を題材にしている場合):詩歌を吟ずること

言の葉:言葉、和歌、手紙
★(言の葉)
ましかばましもし〜だったら
…だろうに
〜ましかば…ましもし〜だったら…だろうに
(反実仮想)

反実仮想「まし」の未然形「ましか」+「ば」

未然形+ば→仮定
もし〜だったら
助動詞一覧
やがてすぐにやがて:すぐに、そのまま★★★
こなたへこちらへこなた(此方):近称
※空間的、心理的に話し手に近い方角・場所・物・時
年ごろ長年年頃:何年も、年来、年格好、年配★★★
すなはちすぐにすなはち(即ち、則ち)すぐに、そこで★★★
世間人生世間:人や生物が生きている所、世界、生涯、環境、財産
万劫きわめて遠大な月日
いかでかどうして〜だろうか(いや〜ない)いかでか〜推量:どうして〜だろうか(いや〜ない)

・いかでか(いかで+か):疑問、反語、願望

・疑問語+か〜連体形(疑問・反語の係結び)
ここでは反語

・「ん」は推量「む」の撥音便
★★★
ひだるさはひだるし空腹のあまりひだるし:ひもじい、空腹だ
いとほしさにかわいそういとほし:気の毒だ、かわいそうだ、いじらしい、かわいらしい★★
あへてまったくあへて:強いて、思い切って

あへて〜打消:いっこうに〜ない
★★★(絶えて)
余:その他、それ以外、(端数があることを表す)…あまり

※選択問題
頻出度の高い「世」などと間違えやすい。文脈で判断
やつがれ(僕、下官、奴)自称、わたくしめ
出で出てこないのか打消「ず」の連体形助動詞一覧
情けなし思いやりのない情け:風流心、男女の情愛

情けなし:情がない
★★(情け)
習ひ慣習習ひ・慣ひ:慣れること、習慣、世の常のこと、きまり、言い伝え、由緒★★★(習ふ)
腹悪しく性根が曲がって腹悪し:腹黒い、怒りっぽい
よもあらまさか無いだろうよも〜打消推量「じ」:まさか〜ないだろう★★
身分の高い者うへ、かみ(上):天皇、内裏、高貴な人、天皇の住まいのある土地★★★
身分の低い者した、しも(下):内心、身分の低い人、下句★★
あはれなる感動的なあはれなり:しみじみと〜だ、気の毒だ、趣深い、かわいい★★★
ののしりけり大騒ぎしたののしる(罵しる):大声で騒ぐ、評判になる

※平安時代に罵倒するの意味はない
★★★
有り難かりける賢人めったにない賢者有り難し:めったにない、(めったにないほど)すばらしい

※存在することがめったにないの意
★★★
員数物や人の数、一定の数
沙汰処置沙汰(さた):命令、処置、相談、評議、知らせ、評判★★
とへ訪ねて訪ふ:訪問する
かしな〜してくれないかなぁかしな:〜してくれないかなぁ

かし(終助詞):念押していう気持ち、やわらかくもちかけたりする気持ち、…ね、…よ、…な

終助詞「な」詠嘆
助詞一覧
夜ひと夜一晩中夜ひと夜:一晩中、夜通し

日一日(ひひとひ):一日中
やうやうだんだんやうやう(漸う):しだいに、だんだん、やっと★★★
内裏だいり※読みを問う問題
できませんえ〜打消:〜できない

打消意志「じ」
★★★
何処にか還るどこに引っ越すの疑問語+か〜連体形(疑問・反語の係結び)
ここでは疑問
助詞一覧
五月雨さみだれ※読みを問う問題
車牛ならん車牛であるだろう断定「なり」の未然形+推量「む」の撥音便:〜だろう、〜なのだろう助動詞一覧
太刀たち※読みを問う問題
気色けしき気色(けしき):目で確認できる人や物の様子
→様子、機嫌、兆し、情趣、意向

気配(けはい):視覚以外(主に聴覚)で確認できる様子

※読みを問う問題
★★★(気色)
★★(気配)
「〜与ふべし」と「あげることにしよう」と終止形(ラ変は連体形)+強い意思「べし」:〜しよう、〜するつもりだ

「〜」と思ふ、「〜」とて、→意思
助動詞一覧
助詞一覧
はかなくなる死ぬ★★★
にけり〜してしまった完了「ぬ」の連用形+過去「けり」助動詞一覧
のたまふおっしゃる宣う:「言う」の尊敬語、おっしゃる敬語一覧
うるさしわずらわしい煩し:わずらわしい、めんどうだ★★
心憎しいいわ心憎し:奥ゆかしい、いいなと思う、恐るべきである、いぶかしい★★★
こそけれこそ〜已然形。:強意の係結び(訳不要)助動詞一覧
助詞一覧
つくろふ化粧する繕ふ:整える、身繕いをする、取り繕う、手当てする、手入れする
わろし良くない悪し(わろし):良くない、下手★★
再び
能はず出来ない能ふ:(通常、打消を伴う)できる、ふさわしい、わかる
已然形+ば〜ので、已然形+ば
順接の確定条件

には以下の意味がある

A:原因・理由(〜ので、)
B:偶然(〜したところ、)
C:必然(〜すると(いつも)、)

※A〜Cの使い分けを見る選択問題や直接意味を問う問題
助詞一覧
見るべくもあら見られそうにない可能「べし」+打消助動詞一覧
に及ばず〜できない
評定す話し合う
あはひ状況間:あいだ、仲、組み合わせ、つりあい

※選択問題、文脈から判断
※類語:よのなか(世の中)
★★★(世の中)
末もかぎらぬ道どこまでも続く長い旅「限る」の未然形+打消「ず」の連体形「ぬ」

限りがない道→どこまでも続く道
助動詞一覧
はかる試す、推量する計る:推量する、計画する

※本義は「推量する」、文脈から判断
※謀る(たばかる):計画を立てる、だます
にや〜であろうかにやあらむ」の「あらむ」が省略(結びの省略)

断定「なり」の連用形「に」+係助詞「や」
助動詞一覧
助詞一覧
さはり邪魔障り:妨げ、障害
障る:邪魔される
★★(さはる)
やすきことかんたんなこと安し、易し:心が穏やかだ、簡単である★★
是非なくしかたなく是非なし:程度が甚だしい、強引であること、しかたがない
言ふばかりなし言い尽くせない計り・量り:目当て、限り
うるわしくきちんとうるわし:整って美しい、筋が通っている、立派である、几帳面である、きちんとしている★★★
すまひいなむべき詞言い返すことのできる言葉すまふ:
(辞ふ)辞退する
(争ふ)抵抗する→「相撲」の語源

いなぶ(否ぶ):断る
★★(すまふ)
★(否ぶ)
なかなかかえってなかなか:かえって、むしろ、なまじっか★★★
やぶりなましきっと破ってしまうだろうなまし:強意「ぬ」の未然形「な」+反実仮想「まし」
(もし…だったら)きっと〜してしまうだろう
助動詞一覧
あさまし驚いたあさまし(浅まし):驚きあきれたことだ、情けない、興醒めだ★★★
かひなく候へ仕方のないことですので甲斐なし・効なし:かいがない、無駄である

已然形+ば:〜ので
すごくてもの寂しく凄し:もの寂しい、ぞっとする、ぞっとするほど素晴らしい★★
えもいわず言葉にできないほどえも〜打消:どうにも〜ない

えも言わず:言うに言われない(程度が甚だしく)言葉で言い表せない
★★★
明後日とて、「明後日」といって
いみじう功徳にたいへんな功徳に
すばらしい功徳に
いみじ:はなはだしい、恐ろしい、すばらしい

※程度の甚だしい様子。良い時にも悪い時にも使う
★★★
なりぬべき事なり なるはずだ
臆したりけむ気おくれをしたのだろうかや〜連体形。(疑問・反語の係結び)
ここでは疑問

臆す:気後れする、怖がってやる気がなくなる
助詞一覧
いらへ返事答ふ・応ふ(いらふ):返事する、返歌する★★

過去問66年分の本文に出てきた単語数は?

ちなみに、私が解いた過去問66年分中、本文に出てきた主な単語を「古文単語 FORMULA 600」で探すと、約190語。(助動詞、助詞を除く)

上記単語集に掲載されていない単語で、過去問で直接意味を問われたものを古語辞典で調べたものが約40語。

まとめ

・公立の過去問20年分では中学教科書レベルの単語が出題

・中堅校の過去問19年分では大学入試で頻出度の高い単語が出題(選択問題が多い)

・難関校の過去問27年分では大学入試で頻出度の高い単語が出題(選択問題・記述問題がある)

参考:「古文単語 FORMULA 600」東進ブックス
「富井の古典文法をはじめからていねいに」東進ブックス
「例解古語辞典 第三版」三省堂

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