古文って、単語覚えなきゃいけないの?
絶対やったほうがいいよ!マジですぐ点になるから
高校入試に出てくる古文の単語は、覚えておくだけで得点源になりやすいです。しっかり押さえておきましょう。
実際に解いた学校の内訳は以下の通りです。(細かく言うと66年分)
学校の種類 | 解いた件数 |
公立 | 20年分 |
中堅国私立 | 19年分 |
難関国私立 | 27年分 |
これらを前提に、高校入試で必要な古文単語について話を進めていきます。
古文の単語は大きく3種類
古文の単語は大きく3種類に分けられます。
種類(名称) | 性質 |
ー | 現代語とほぼ意味が同じ |
古今異議語 | 現代語と形が似ているが意味が異なる |
古文特有語 | 古文にしか存在しない |
文語(古語)が時代を経て口語(現代語)に形を変えているだけなので、割と現在も使用されている単語も多いです。
一から覚えなければならない英単語に比べれば負担は少なく済みます。
ポイントは現代語と意味が異なる古今異議語と、古文にしかない古文特有語。
この二つが単語の意味を問う問題や現代語訳でよく出題されます。
問題内容の傾向
過去問66年分の古文を解いてみると大まかに
<問題内容>
・歴史的仮名遣い
・会話文の抜き出し
・文学史
・主語の把握
・単語の意味(係結び、呼応の副詞、助動詞の区別なども含む)
・現代語訳
・内容把握
・テーマ把握
と言った内容が出題されています。
この内、単語の知識が強く関わってくるのが
・単語の知識を直接的に問われるもの(単語の意味、現代語訳)
・間接的に単語の知識が必要なもの(内容把握など)
この2つ。
古文単語はどこまでやればいい?
高校入試だと古文単語はどこまでやればいいですか?
学校によって求められる単語は異なります。
過去問66年分の古文単語を見てみる(公立〜難関校)
ここで過去問66年分で直接的に意味が問われた単語を公立、中堅校、難関校で見ていきましょう。
公立(20年分)
・公立20年分を解いたところ、2〜3割程度の学校が出題
・問題の中にヒントがある場合が多い
・中学教科書レベルの単語が出題
公立は中学教科書レベルの単語を押さえておきましょう。
公立の問題は
・本文の横に現代語訳が掲載されている
・注が多い
・古文を元にした先生と生徒の会話文がある
のどれかが当てはまる傾向にあります。
そのため、大体の話の内容が理解できるようになっています。
どちらかというと、単語の意味を直接問うよりも、内容把握やテーマ把握の問題が多いです。(問われても中学教科書レベル)。
また、「係結び」についての知識を問う問題もあります。
実際に解いた中で直接意味が問われた単語は以下のとおりです。
単語 | 意味(解答) | 備考 |
にや思ひけん | 思ったのであろうか | にや:断定「なり」の連用形「に」+係助詞「や」〜連体形 や〜連体形。:疑問・反語の係結び ここでは疑問 けん:過去推量「けむ」の連体形、撥音便 ※選択問題 |
心のままに | 自分が思った通りに | ※選択問題 |
立つ | 開始 | 立つ:(新しい月、年、季節などが)始まる ここでは「春立つと〜」の意味が出題 (暦では)立春となっているが ※選択問題 |
心のうつり行くに | 心が変化していくことに | 移る:移ること全般↓ 移動する、変化する、過ぎる、心が変わる、散る、色褪せる、乗り移る、転生など ※選択問題 |
中堅国私立(19年分)
・中堅校19年分を解いたところ、9割程度の学校が出題
・大学入試用の単語集で頻出度の高い単語はチェック
・選択問題が多い
中堅校ではガッツリ単語の意味が問われてきます。
市販されている単語集で言うなら、例えば、
東進ブックスの「古文単語 FORMULA 600」の場合、★3〜2まではチェックしておきたいところ。
時間がなければ、せめて★3は死守。220語あります。
古文を得点源にしたい場合は★3〜2まで見ておく方がbetterです。
★3〜2で470語あります。
ちなみにコレ、大学入試用の単語集です。
他の単語集でもこの★3〜2に相当するものがいいかと。
私立大に出てくるようなマニアックな単語までは手を付けなくても大丈夫です。
参考までに、私が解いた19年分の古文に出てきた単語を「古文単語 FORMULA 600」に照らしながらまとめていますので、見てみて下さいね。
これに載っていない単語は古語辞典で調べています。
助動詞、助詞、敬語一覧も見ておきましょう。
ただし、これらは一覧だけでは分かりづらいので、文法の参考書(大学受験用)のチェックも必要です。
「古文単語 FORMULA 600」の特徴
・古今異議語、古文特有語に重点を置いている
・★は単語の頻出度(★3が220語、★2が250語、★1が130語)
・助詞、助動詞、敬語は一覧で記載
単語 | 意味(解答) | 備考 | 古文単語 FORMULA 600 の掲載状況 |
ゐて | 座って | ゐる(居る)の連用形:じっと静止している状態↓ すわる、しゃがむ、止まる、凪いでいる など | ★★★ |
年ごろ | 長年の間 | 年頃:何年も、年来、年格好、年配 月頃:数ヶ月来、数ヶ月間 日頃:何日か、数日、近頃、ふだん | ★★★ |
なむず | 〜してしまうだろう | なむず:〜してしまうだろう 「むず」≒「む」、「む」より強い緊迫感 完了「ぬ」の未然形「な」+推量「むず」の終止形 | 助動詞一覧 |
これを行はん | これを行おう | 「行ふ」の未然形+意思「む」の終止形、撥音便 ※選択問題(「ん」と同じ意味を選ぶ) ・「む」→推量or意思 ・打消「ず」の連体形「ぬ」 ・完了「ぬ」の終止形「ぬ」 | 助動詞一覧 |
命絶えぬ。 | 命が絶えた | 「絶ゆ」の連用形+完了「ぬ」の終止形 ※選択問題(「ぬ」と同じ意味を選ぶ) ・打消「ず」の連体形「ぬ」 ・完了「ぬ」の終止形「ぬ」 ・「死ぬ」「寝ぬ」の語尾 | 助動詞一覧 |
〜に召されぬ。 | 〜に召された | 「召す」の未然形+受身「る」の連用形+完了「ぬ」の終止形 ※選択問題(「れ」と同じ意味を選ぶ) ・助動詞「る」の区別(受身、可能、自発、尊敬) | 助動詞一覧 |
いと | とても | ★★★ | |
せん方なし | どうしようもない | 為む方なし:どうしようもない 為む方:しようとする方法 | ★ |
笛や吹く | 笛を吹くのか | や〜連体形。:疑問・反語の係結び ここでは疑問 | 助詞一覧 |
さればこそ | やっぱり | 然ればこそ:それだから、思った通りだ、やっぱりだ 然れば:だから | ★★★(然れば) |
えもいはず | すばらしく | えも〜打消:どうにも〜ない えも言わず:言うに言われない(程度が甚だしく)言葉で言い表せない | ★★★ |
やがて | そのまま | やがて:すぐに、そのまま | ★★★ |
止みにけり。 | 終わってしまった。 | にけり:〜てしまった。〜てしまったのだなぁ。 完了「ぬ」の連用形「に」+過去「けり」の終止形 | 助動詞一覧 |
いみじきもの | たいそうすぐれた人物 | いみじ:はなはだしい、恐ろしい、すばらしい ※程度の甚だしい様子。良い時にも悪い時にも使う | ★★★ |
いとしもなし | たいしたこともない | いとしも(しもは副助詞)+打消:たいして〜ない | |
あなた | 向こう側 | あなた(彼方): (距離的に遠い)あちら、向こう側 (時間的に遠い)以前、将来 | |
え笑はで | 笑うこともできないで | え〜打消:〜できない | ★★★ |
先途 | 行先、将来 | 先途(せんど):行先、将来、瀬戸際 | |
なさけある人 | 情緒を解する人 | なさけ(情け):風流心、男女の情愛 | ★★ |
しなひ | 花房 | しなひ(撓ひ):しなやかにたわんでいる花房 | |
はらから | 兄弟姉妹 | ★★★ | |
すまひけれど | 辞退したけれど | すまふ: (辞ふ)辞退する (争ふ)抵抗する→「相撲」の語源 | ★★ |
沙汰 | 評判 | 沙汰(さた):命令、処置、相談、評議、知らせ、評判 | ★★ |
哀れなり | けなげだ | あわれなり:しみじみと〜だ、気の毒だ、趣深い、いとしい、せつない | ★★★ |
やすかる | たやすい | 易し:容易だ、簡単だ 安し:心穏やかだ、平穏だ、価が安い | ★★ |
あらまし | 予定 | あらまし:予期、計画、概略、おおよそ ※こうあったらなぁと期待すること | ★★ |
いよいよ | ますます | ||
なさんと思へど | しようと思うけれど | 「なす」の未然形+意思「む」の撥音便+引用の格助詞「と」(〜と)+「思ふ」の已然形+接続助詞「ど」(〜けれども) | 助動詞一覧 助詞一覧 |
故 | わけ | ||
よし | 事情 | よし(由):理由、由緒、〜こと | ★★ |
読み候ひなん | お読みいたしましょう | なむ:きっと〜だろう、きっと〜(よ)う 完了「ぬ」の未然形「な」+推量「む」終止形 確実に実現・完了すると思われる事を推量の形で表す 「ん」は「む」の撥音便 | 助動詞一覧 |
よからん | 良いだろう | よから+ん:「善し」の未然形+推量「む」の終止形 「ん」は「む」の撥音便 | 助動詞一覧 |
きこえ | 評判 | ★★ | |
ゆゆしく | 立派に | ゆゆし(形):神聖で恐れ多い、不吉だ、程度がはなはだしい | ★★★ |
かねて | あらかじめ | かねて(予て):以前から、あらかじめ | |
ののしり合へり | 大声で騒ぎ合っている | ののしる(罵しる):大声で騒ぐ、評判になる ※選択問題 ※平安時代に「罵倒する」の意味はない | ★★★ |
おほかた | まったく | おほかた〜打消:まったく〜ない | ★★★ |
あさましき | あきれた | あさまし:驚きあきれたことだ、もってのほかだ、(あきれて)情けない、興ざめだ、みすぼらしい、あさはかだ ※物事の良し悪しにかかわらず | ★★★ |
跡なきこと | 根も葉もないこと | 跡なし:跡が残らない、証拠がない、前例がない | |
あらざめり | 〜ないようだ | あらざめり:ラ変動詞「ある」の未然形+打消「ず」の連体形「ざる」の撥音便化「ざん」(「ん」は読まない)+推量「めり」 ざめり:〜ないようだ ※見え+あり→めり(視覚からの推量) ※音+あり→なり(聴覚からの推量) | 助動詞一覧 |
このしるし | この前兆 | しるし(徴・験):効果、霊験、兆し、前兆 | ★★★ |
あまた | たくさん | あまた(数多):数多く、たいそう、非常に | ★★★ |
年久しくなりて | 長年たって | 久し:長い時間がたった様子、ある状態が長く続く様子 | |
さだめて〜む | きっと〜だろう | 定めて〜推量:きっと〜だろう 推量の助動詞「む」:〜だろう | ★★ |
やう | 理由 | やう(様):様子、わけ、理由、事情、方法 | |
志 | 愛情 | 志:心が向かうところ、意向、誠意、好意、感謝の意を表す贈り物、追善供養 | |
ことさら | 格別に | 殊更:わざわざ、改めて、格別に ※文脈で判断 | |
具して | 連れて | 具す:人や物を装備するイメージ↓ 備わる、備える、連れ立つ、従う、伴う、連れて行く | ★★ |
何事 | どのような事情 | ||
息災な | 身体が丈夫だ | 息災:仏の力で災難を防ぎ止めること、病気をしないで元気なこと | |
一向 | 全く | いっかう→いっこう(一向):ひたすら、いちずに いっかう〜打消:少しも〜ない | |
かけて | 騙して | 掛けて:(はかりに)かけて 「秤に掛ける」→「計略にはめる」に近い? ※選択問題 ※本義に「騙す」はない。文脈で判断。 |
難関国私立(27年分)
・難関校27年分を解いたところ、9割程度の学校が出題
・大学入試用の単語集で頻出度の高い単語はチェック
・選択問題、記述問題ともに出題
難関校でもしっかり単語の意味が問われます。
中堅校との違いは、その出題形式。
選択問題もありますが、記述による現代語訳や内容把握の問題も出てきます。
単語の意味が分かった上で、時間内に答案へアウトプットする訓練が必要です。
大学入試を意識した作りになっています。
開成高校も共通テストと東大を意識した問題になってるよ。
読む量が多くて…。
そうですね。
おまけに、記述問題も入ってくるので、とにかく時間がかかります。
単語の意味でもたつくのはNG。★3〜2までは覚えた方が吉です。
もちろん普通に大学入試用の単語集が必須となります。
ここでも、「古文単語 FORMULA 600」の場合、中堅校と同様、★3〜2までの単語は要チェック。
助動詞、助詞、敬語一覧も見ておきましょう(これらは文法の参考書も精読)。
難関校の単語も「古文単語 FORMULA 600」に照らしながらまとめていますので、見てみて下さいね。
単語 | 意味(解答) | 備考 | 古文単語 FORMULA 600 の掲載状況 |
おどろおどろしくは | 重い症状には | おどろおどろし(驚驚し):大げさだ、気味が悪い、事態が容易でないようす、おおごとだ ※驚いてびっくりするくらい程度が甚だしいようす | ★★★ |
せきかね給へる | おさえかねていらっしゃる | せきかぬ(塞きかぬ):止めかねる、こらえかねる | |
始め給へど | 始めなさったが、 | 已然形+ど(接続):〜けれども(逆接の確定条件) | 助詞一覧 |
はかばかしき | はっきりとした | はかばかし:しっかりしている、確かだ、はっきりしている、はきはきとしている ※物事が思う様にはかどるようす | ★★★ |
験 | 霊験 | しるし(徴・験):効果、霊験、兆し、前兆 | ★★★ |
ゆめゆめ | 決して | ゆめゆめ+禁止:決して〜するな ※記述による現代語訳の問題 | ★★★ |
な〜そ | 〜してくれるな | な〜そ:〜してくれるな、〜してはいけない 禁止の副詞「な」+禁止の終助詞「そ」 ※記述による現代語訳の問題 | ★★★ |
うしろめたく | 気がかりに | うしろめたし:不安だ、気がかりだ、後ろ暗い、やましい ※記述による現代語訳の問題 | ★★★ |
聞こゆ | 〜申し上げる | 聞こゆ:申し上げる、〜申し上げる ※記述による現代語訳の問題 | 敬語一覧 |
給ふ | 〜なさる | 給ふ:お与えになる、お〜になる ※記述による現代語訳の問題 | 敬語一覧 |
ふしぎに | 理解を超えるほどに | 不思議:理屈で説明できないこと、考えられない様なひどいこと | |
めでたし | 素晴らしい | めでたし:りっぱだ、優れている、素晴らしい、美しく愛らしい、縁起が良い、喜ばしい | ★★ |
恥ぢぬ御こと | 恥じない御歌 | 打消「ず」の連体形 | 助動詞一覧 |
御こと | 御歌 | こと(言):言葉、口に出して言うこと、うわさ、評判 言ふ(和歌を題材にしている場合):詩歌を吟ずること 言の葉:言葉、和歌、手紙 | ★(言の葉) |
〜ましかば…まし | もし〜だったら …だろうに | 〜ましかば…まし:もし〜だったら…だろうに (反実仮想) 反実仮想「まし」の未然形「ましか」+「ば」 未然形+ば→仮定 もし〜だったら | 助動詞一覧 |
やがて | すぐに | やがて:すぐに、そのまま | ★★★ |
こなたへ | こちらへ | こなた(此方):近称 ※空間的、心理的に話し手に近い方角・場所・物・時 | |
年ごろ | 長年 | 年頃:何年も、年来、年格好、年配 | ★★★ |
すなはち | すぐに | すなはち(即ち、則ち):すぐに、そこで | ★★★ |
世間 | 人生 | 世間:人や生物が生きている所、世界、生涯、環境、財産 | |
万劫 | きわめて遠大な月日 | ||
いかでか〜ん | どうして〜だろうか(いや〜ない) | いかでか〜推量:どうして〜だろうか(いや〜ない) ・いかでか(いかで+か):疑問、反語、願望 ・疑問語+か〜連体形(疑問・反語の係結び) ここでは反語 ・「ん」は推量「む」の撥音便 | ★★★ |
ひだるさはひだるし | 空腹のあまり | ひだるし:ひもじい、空腹だ | |
いとほしさに | かわいそう | いとほし:気の毒だ、かわいそうだ、いじらしい、かわいらしい | ★★ |
あへて | まったく | あへて:強いて、思い切って あへて〜打消:いっこうに〜ない | ★★★(絶えて) |
よ | 余 | 余:その他、それ以外、(端数があることを表す)…あまり ※選択問題 ※頻出度の高い「世」などと間違えやすい。文脈で判断 | |
やつがれ(僕、下官、奴) | 自称、わたくしめ | ||
出でぬか | 出てこないのか | 打消「ず」の連体形 | 助動詞一覧 |
情けなし | 思いやりのない | 情け:風流心、男女の情愛 情けなし:情がない | ★★(情け) |
習ひ | 慣習 | 習ひ・慣ひ:慣れること、習慣、世の常のこと、きまり、言い伝え、由緒 | ★★★(習ふ) |
腹悪しく | 性根が曲がって | 腹悪し:腹黒い、怒りっぽい | ★ |
よもあらじ | まさか無いだろう | よも〜打消推量「じ」:まさか〜ないだろう | ★★ |
上 | 身分の高い者 | うへ、かみ(上):天皇、内裏、高貴な人、天皇の住まいのある土地 | ★★★ |
下 | 身分の低い者 | した、しも(下):内心、身分の低い人、下句 | ★★ |
あはれなる | 感動的な | あはれなり:しみじみと〜だ、気の毒だ、趣深い、かわいい | ★★★ |
ののしりけり | 大騒ぎした | ののしる(罵しる):大声で騒ぐ、評判になる ※平安時代に罵倒するの意味はない | ★★★ |
有り難かりける賢人 | めったにない賢者 | 有り難し:めったにない、(めったにないほど)すばらしい ※存在することがめったにないの意 | ★★★ |
員数 | 物や人の数、一定の数 | ||
沙汰 | 処置 | 沙汰(さた):命令、処置、相談、評議、知らせ、評判 | ★★ |
とへ | 訪ねて | 訪ふ:訪問する | ★ |
かしな | 〜してくれないかなぁ | かしな:〜してくれないかなぁ かし(終助詞):念押していう気持ち、やわらかくもちかけたりする気持ち、…ね、…よ、…な 終助詞「な」詠嘆 | 助詞一覧 |
夜ひと夜 | 一晩中 | 夜ひと夜:一晩中、夜通し 日一日(ひひとひ):一日中 | |
やうやう | だんだん | やうやう(漸う):しだいに、だんだん、やっと | ★★★ |
内裏 | だいり | ※読みを問う問題 | |
え〜じ | 〜できません | え〜打消:〜できない 打消意志「じ」 | ★★★ |
何処にか還る | どこに引っ越すのか | 疑問語+か〜連体形(疑問・反語の係結び) ここでは疑問 | 助詞一覧 |
五月雨 | さみだれ | ※読みを問う問題 | |
車牛ならん | 車牛であるだろう | 断定「なり」の未然形+推量「む」の撥音便:〜だろう、〜なのだろう | 助動詞一覧 |
太刀 | たち | ※読みを問う問題 | |
気色 | けしき | 気色(けしき):目で確認できる人や物の様子 →様子、機嫌、兆し、情趣、意向 気配(けはい):視覚以外(主に聴覚)で確認できる様子 ※読みを問う問題 | ★★★(気色) ★★(気配) |
「〜与ふべし」と | 「あげることにしよう」と | 終止形(ラ変は連体形)+強い意思「べし」:〜しよう、〜するつもりだ 「〜」と思ふ、「〜」とて、→意思 | 助動詞一覧 助詞一覧 |
はかなくなる | 死ぬ | ★★★ | |
にけり | 〜してしまった | 完了「ぬ」の連用形+過去「けり」 | 助動詞一覧 |
のたまふ | おっしゃる | 宣う:「言う」の尊敬語、おっしゃる | 敬語一覧 |
うるさし | わずらわしい | 煩し:わずらわしい、めんどうだ | ★★ |
心憎し | いいわ | 心憎し:奥ゆかしい、いいなと思う、恐るべきである、いぶかしい | ★★★ |
こそ〜けれ | こそ〜已然形。:強意の係結び(訳不要) | 助動詞一覧 助詞一覧 | |
つくろふ | 化粧する | 繕ふ:整える、身繕いをする、取り繕う、手当てする、手入れする | |
わろし | 良くない | 悪し(わろし):良くない、下手 | ★★ |
復 | 再び | ||
能はず | 出来ない | 能ふ:(通常、打消を伴う)できる、ふさわしい、わかる | |
已然形+ば | 〜ので、 | 已然形+ば 順接の確定条件 には以下の意味がある A:原因・理由(〜ので、) B:偶然(〜したところ、) C:必然(〜すると(いつも)、) ※A〜Cの使い分けを見る選択問題や直接意味を問う問題 | 助詞一覧 |
見るべくもあらず | 見られそうにない | 可能「べし」+打消 | 助動詞一覧 |
に及ばず | 〜できない | ||
評定す | 話し合う | ||
あはひ | 状況 | 間:あいだ、仲、組み合わせ、つりあい ※選択問題、文脈から判断 ※類語:よのなか(世の中) | ★★★(世の中) |
末もかぎらぬ道 | どこまでも続く長い旅 | 「限る」の未然形+打消「ず」の連体形「ぬ」 限りがない道→どこまでも続く道 | 助動詞一覧 |
はかる | 試す、推量する | 計る:推量する、計画する ※本義は「推量する」、文脈から判断 ※謀る(たばかる):計画を立てる、だます | ★ |
にや | 〜であろうか | 「にやあらむ」の「あらむ」が省略(結びの省略) 断定「なり」の連用形「に」+係助詞「や」 | 助動詞一覧 助詞一覧 |
さはり | 邪魔 | 障り:妨げ、障害 障る:邪魔される | ★★(さはる) |
やすきこと | かんたんなこと | 安し、易し:心が穏やかだ、簡単である | ★★ |
是非なく | しかたなく | 是非なし:程度が甚だしい、強引であること、しかたがない | |
言ふばかりなし | 言い尽くせない | 計り・量り:目当て、限り | |
うるわしく | きちんと | うるわし:整って美しい、筋が通っている、立派である、几帳面である、きちんとしている | ★★★ |
すまひいなむべき詞 | 言い返すことのできる言葉 | すまふ: (辞ふ)辞退する (争ふ)抵抗する→「相撲」の語源 いなぶ(否ぶ):断る | ★★(すまふ) ★(否ぶ) |
なかなか | かえって | なかなか:かえって、むしろ、なまじっか | ★★★ |
やぶりなまし | きっと破ってしまうだろう | なまし:強意「ぬ」の未然形「な」+反実仮想「まし」 (もし…だったら)きっと〜してしまうだろう | 助動詞一覧 |
あさまし | 驚いた | あさまし(浅まし):驚きあきれたことだ、情けない、興醒めだ | ★★★ |
かひなく候へば | 仕方のないことですので | 甲斐なし・効なし:かいがない、無駄である 已然形+ば:〜ので | |
すごくて | もの寂しく | 凄し:もの寂しい、ぞっとする、ぞっとするほど素晴らしい | ★★ |
えもいわず | 言葉にできないほど | えも〜打消:どうにも〜ない えも言わず:言うに言われない(程度が甚だしく)言葉で言い表せない | ★★★ |
明後日とて、 | 「明後日」といって | ||
いみじう功徳に | たいへんな功徳に すばらしい功徳に | いみじ:はなはだしい、恐ろしい、すばらしい ※程度の甚だしい様子。良い時にも悪い時にも使う | ★★★ |
なりぬべき事なり | なるはずだ | ||
心や臆したりけむ | 気おくれをしたのだろうか | や〜連体形。(疑問・反語の係結び) ここでは疑問 臆す:気後れする、怖がってやる気がなくなる | 助詞一覧 |
いらへ | 返事 | 答ふ・応ふ(いらふ):返事する、返歌する | ★★ |
過去問66年分の本文に出てきた単語数は?
ちなみに、私が解いた過去問66年分中、本文に出てきた主な単語を「古文単語 FORMULA 600」で探すと、約190語。(助動詞、助詞を除く)
上記単語集に掲載されていない単語で、過去問で直接意味を問われたものを古語辞典で調べたものが約40語。
まとめ
・公立の過去問20年分では中学教科書レベルの単語が出題
・中堅校の過去問19年分では大学入試で頻出度の高い単語が出題(選択問題が多い)
・難関校の過去問27年分では大学入試で頻出度の高い単語が出題(選択問題・記述問題がある)
参考:「古文単語 FORMULA 600」東進ブックス
「富井の古典文法をはじめからていねいに」東進ブックス
「例解古語辞典 第三版」三省堂
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